眼輪筋トレーニング
目の下のたるみに関するギモン
目の周りで脂肪を支える表情筋「眼輪筋」を鍛えることで、目の下のたるみを予防できるとされています。ただし、眼輪筋トレーニングは正しい方法で行わなければならず、方法を間違えると逆効果になる恐れもあります。
そもそも眼輪筋とは?
眼輪筋とは、人の顔で表情を作るために働いている表情筋の一種であり、特に目の周りにあるドーナツ状の筋肉です。
眼輪筋はまぶたの開け閉めをする際に使う筋肉で、加齢などによって眼輪筋の機能が衰えると、目を中心とした様々な老け顔の原因にもなります。しかも、眼輪筋の衰えは視力の悪化にも影響するので、見た目だけでなく健康に生活していく上でも重要な筋肉といえます。
また、眼輪筋にはまぶたの開閉だけでなく、目の周りにある皮膚や脂肪を支えるという働きがあります。そのため、眼輪筋が弱ってしまうと、重力に負けて脂肪が垂れ下がりやすくなり、これが目の下のたるみの一因になります。
さらに、眼輪筋は目の周りの血行にも大きな影響を与えている点を忘れてはいけません。眼輪筋が衰えて血流が滞ってしまうと、老廃物や余分な水分を排出することができなくなります。その結果、目の疲労回復が遅れ、目の周りがむくんだりクマができやすくなったりもします。
眼輪筋トレーニングのデメリットとは?
効果的なトレーニングによって様々なメリットを得られる眼輪筋ですが、目の周りは顔の中でも特にデリケートな部分であり、誤った方法で眼輪筋トレーニングを行うとむしろ逆効果になるため注意しなければなりません。
不適切な眼輪筋トレーニングによるデメリットはいくつかありますが、例えばそのひとつが「目の下のたるみの悪化」です。
眼輪筋トレーニングではしっかりと眼輪筋を動かしますが、これは同時に目の周りの皮膚を引っ張ることにもなります。乱暴に皮膚を引っ張ってしまうと、徐々に皮膚が伸びてしまい、結果的に目の下のたるみへつながる恐れがあります。
しかも、一度たるんでしまった皮膚はもう眼輪筋トレーニングだけで解消することができません。
また、眼輪筋トレーニングには残念ながら即効性がありません。眼輪筋の状態は体質や生活習慣などによって異なるのですが、トレーニング開始から1ヶ月程度で効果が現れる人もいれば、数ヶ月から1年近く続けてようやく効果が現れる人もいます。
ただし眼輪筋は正しく鍛えれば何歳からでも機能回復を望めるため、眼輪筋トレーニングは理に適った方法であることは確かです。ただそれだけで目の下のたるみをすべて改善できると過信するのは禁物です。
効果的に鍛える!眼輪筋トレーニングの方法
眼輪筋トレーニングが目の下のたるみに効果的なのはなぜ?
眼輪筋トレーニングが目の下のたるみ解消に効果的だとされる理由は、眼輪筋が目の周りの脂肪を支えているからです。
眼輪筋は表情筋のひとつですが、年齢によって少しずつ薄くなってきます。そして、眼輪筋が薄くなることで、目の周りにある脂肪を支えきることができなくなり、目の奥にあった脂肪が前に出てきてたるみとなります。
そのため、眼輪筋が薄くならないようにトレーニングをしてあげれば、目の周りの脂肪が出てきてしまうこともなく、たるみも現れないという訳です。眼輪筋トレーニングは、たるみをセルフケアする方法としては非常に有効だと言えるでしょう。
眼輪筋の効果的な鍛え方について
それでは、眼輪筋を鍛えるための具体的な方法についてご紹介していきます。
眼輪筋トレーニングには何種類かありますが、こちらでは沖縄県にある石川眼科医院で紹介されている方法でみてみたいと思います[1]。
鏡を用意して、ご自身の目を見ながら実践してみてください。
- まぶしいときの目つきをする
太陽がまぶしいときのように、少し目を細めるイメージです。下のまぶたが2mmほど上に上がって、下まぶたの部分にシワができる状態がベストです。
- 目尻を引っ張って上がり目にする
目尻の皮膚を斜め上に引っ張って、「上がり目」の状態にしてください。上がり目の状態のまま目を閉じると、下のまぶたが上の方に動くと思います。この時に注意することは、頬の筋肉を使わないこと。頬の筋肉が動かないように眼輪筋だけで目を閉じるようにしましょう。
- 上まぶたを押さえて目を閉じる
上まぶたの眉毛の下あたりを押さえて上に引き上げ、そのまま強く目を閉じてください。ですが、上まぶたを引き上げているので目を閉じることができず、下まぶたの方が動きます。この動きを2~3回繰り返しましょう。
- 下まぶたを下げる
下まぶたを下げて、「あっかんべー」の状態にしてください。指で頬の筋肉を下げていると思いますが、その指の力を緩めずに、そのまま頬の筋肉を使って目を閉じようとします。
- 目尻を横に引っ張る
次は目尻の下側に指を添え、そのまま横に引っ張ってください。そして、鏡を見ながら、そのまま思い切り目を閉じます。これを数回繰り返しましょう。
眼輪筋トレーニングを行う頻度は?
眼輪筋トレーニングは、1日1回、毎日行うと効果的です。上でご紹介したそれぞれの手順を、30~40秒間行うだけでも、眼輪筋は鍛えることができます。
また、1~5までを全て実践するのが大変なようでしたら、最後の目尻を引っ張るトレーニングだけを行っても大丈夫。トレーニングをするのは短時間だけでも良いのですが、毎日継続して行うことが大切です。
眼輪筋トレーニングにはこんな効果も!
眼輪筋トレーニングは、ただ目の下のたるみを改善するだけのものではありません。眼輪筋を鍛えることは、目にトラブルを抱えている方にもおすすめ。
それでは、目の下のたるみ以外への、眼輪筋トレーニングの効果について見ていきましょう。
目の下のクマを解消
眼輪筋が衰えると、目の周りの血行が悪くなってしまいます。そのため、血行不良が原因で色素沈着が起こり、クマが発生することも。眼輪筋を鍛えれば目の周りの血行が改善されるので、クマの解消にも効果が期待できます。
不完全瞬目によるドライアイ
眼輪筋の衰えが原因で、完全に目を閉じられない状態になることも。この症状を「不完全瞬目」と言いますが、目を閉じられないことで目の水分が不足して、ドライアイが引き起こされる可能性もあります。眼輪筋が原因のドライアイの場合は、トレーニングで改善することが可能です。
目元がはっきりする
眼輪筋を鍛えてあげると、目の周りの脂肪やむくみなどが改善されます。目の周りがすっきりとするので、はっきりとした二重になれる可能性があります。
涙袋がはっきりとする
目の下のたるみが改善するということは、目元の皮膚にハリが生まれるということです。ぼんやりとした涙袋を持っている方でも、よりはっきりとさせられる場合もあります。
眼輪筋トレーニングが逆効果になる可能性も?
ご紹介してきたように、目の下のたるみを改善するためには、眼輪筋トレーニングは効果的です。ですが、トレーニングをすることで、反対に目の下のたるみが悪化してしまうことも考えられます。
眼輪筋トレーニングは目の周りの皮膚を強く引っ張る動きが多いもの。正しい方法で行われなければ、引っ張る力によって皮膚が伸びて、皮膚自体にもたるみが発生する可能性があるのです。
眼輪筋の衰えだけでたるんでいた場合でも、目の周りの皮膚までたるませてしまうと、もうトレーニングだけでは改善することができなくなってしまうでしょう。
眼輪筋トレーニングのデメリットは「即効性がない」こと
そして、眼輪筋トレーニングのデメリットとして挙げられることが、「即効性がない」ということです。
眼輪筋トレーニングの効果が出るのは、早ければ1ヵ月だと言われていますが、眼輪筋の状態によっては1年以上かかることも珍しくはありません。先ほどの眼輪筋トレーニングを考案した石川眼科医院の患者さんは、毎日熱心にトレーニングを行ったところ、4か月で疲れ目の症状が改善したと言います。
熱心にトレーニングをされても症状の改善に4ヵ月間かかったのですから、目の下のたるみを改善する方法としては、即効性がある方法とはいえないでしょう。
即効性と確実性がある目の下のたるみ改善法は?
目の下のたるみを改善する方法として、眼輪筋トレーニングよりも即効性があり、高い効果を期待することができるのは、美容クリニックでのたるみ改善治療です。美容クリニックで治療を受ければ、その日のうちに目の下のたるみを改善することができるでしょう。
目の下のたるみを改善する治療はさまざまですが、目の下に溜まっている余分な脂肪を取り除いてしまえば、たるみが起きる根本的な原因を解消できるので、効果の確実性はかなりのものです。
持続性も高く、1度治療を受ければその効果が長続きするため、もう目の下のたるみに悩まされることもなくなります。
40代女性にとって美容整形は身近な存在!?
美容クリニックで、目の下のたるみについて相談にくる方は、30~40代の女性がかなり高い割合を占めているそうです。
そして、女性の「美容整形への関心度の高さ」を調べた調査によると、40代女性の美容整形への関心度は、所謂「美容に最も関心が高い年代」である20~30代と同等という結果に。
確かに若い世代のほうが、相対的に割合が高くなっていますが、50 〜 60歳代でも2割を超えており、40歳代後半は、20歳代や30歳代と変わらないくらいの割合になっています。
さらに、実際に美容整形を受けたことがある方のデータを見ると、40代女性の肌への施術で最も多いのは、肌のハリにも効果的な「フォトフェイシャル」となっており、30代の女性と2%しか違いがありません。下のデータは、フォトフェイシャルを受けている女性の割合のデータです。
年代 | 受けた人の割合 | 合計 |
---|---|---|
20~24歳 | 6.9% | 16% |
25~29歳 | 9.1% | |
30~34歳 | 12.9% | 21.5% |
35~39歳 | 8.6% | |
40~44歳 | 10.9% | 19.5% |
45歳以上 | 8.6% |
出典:(PDF)株式会社アイスタイル『簡易美容外科利用状況から見る美容への期待』[PDF]
40代の女性は、目の下のたるみに悩み、美容整形に関心が高く、肌のハリを取り戻す治療を受けている方が多い。この3点から考えると、40代女性で目の下のたるみ治療を受けている方は、かなりの割合に上ると考えられるでしょう。
実際に目の下のたるみ治療を受けた人からの声
脱脂術で目元がスッキリ!
2週間ほど前に脱脂術を受けてきました。治療では目の下の脂肪をしっかりと取ってもらうことができ、スッキリとした綺麗な目元になることができたと思います。治療後の痛みも思ったよりも少なく、腫れも目立つようなものではなかったので、マスクがあれば日常生活にも支障はありませんでした。もう少し脂肪を入れようかなとも思っていますが、今の状態でもとても満足です。
コンプレックスだったたるみがなくなりました
整形治療を受けることにとても恐怖があったので、受けること自体にかなり悩みました。ですが、結果的には思い切って治療を受けて本当に良かったと思います。脱脂術はダウンタイムもほとんどなく、治療中の痛みもなかったので、痛がりの私にはありがたかったです。治療を受けてから4か月が経過しましたが、たるみに関しては劇的な変化。たるみが全くなくなって大満足です。
たるみに最も高い効果を発揮する「脱脂術」とは?
治療を受けた方からの声にもあった「脱脂術」という治療ですが、この治療法は、目の下のたるみに最も高い効果をもたらすと言われている治療法です。
脱脂術は、レーザーメスを使ってまぶたの裏側の結膜を切り、目の下の余っている脂肪を除去する治療法です。レーザーメスを使うため出血がなく、結膜を切ることで見える部分に傷跡が残る心配もありません。
眼輪筋トレーニングのところでもお話ししましたが、目の下のたるみは、目の周りの脂肪が前に出てくることが原因で起こります。脱脂術は、その余っている脂肪を除去してしまう治療法なので、たるみの根本的な改善が可能となるのです。
脱脂術の効果について
脱脂術では、余分な脂肪を取り除くことによって、目の下の膨らみがなくなるため、目の下をフラットな状態にすることができます。そのため、目の下のたるみが改善される他、たるみの影によってできる「黒クマ(影クマ)」を改善することもできるでしょう。
また、脱脂術の際には、頬の上にできた溝に脂肪を注入することで、頬から目の下にかけて自然なふくらみが追加されるため、より若々しい印象になれます。
脱脂術の費用について
費用は30万円前後が相場となりますが、中には、脂肪注入と組み合わせて30万円程度で治療が受けられるクリニックもあります。
脱脂術後の仕事は可能?回復期間は?
脱脂術を受けた後は、2~3日程度軽い腫れが起き、稀に内出血が出る場合もあります。洗顔やシャワーは治療当日から可能ですが、目元のメイクは3日目まで避けた方が良いので、見た目が気になる方は3日程度お休みを取ることをおすすめします。
ただし、目元以外のメイクは翌日から可能ですし、安静が必要という訳でもないので、翌日から出勤することもできるでしょう。コンタクトは1週間後からとなるので、1週間はメガネで過ごしてください。
目の下のたるみに悩んでいるなら…まずはカウンセリングを
セルフケアとして眼輪筋トレーニングを行うのも良いですが、それだけでは限界がありますし、現在のたるみを改善する方法としては即効性に乏しいもの。クリニックの治療であれば、約1ヵ月後にはたるみのない美しい目元が完成します。
クリニックでは無料カウンセリングを受け付けていて、カウンセリングを受けることで、あなたに最も合った治療法を提案してもらうことができるのです。体の悩みは専門家である医師に相談するのがいちばん。カウンセリングで、悩みを解消する方法を教えてもらってはいかがでしょうか。
[1]参考:石川眼科医院『眼輪筋トレーニング』