アトピーが原因で
色素沈着したクマも
治療できるの?
目の下のクマ&たるみ治療に関するQ&A
アトピー体質によって生じるクマは、
セルフケアでは限界があります。
そのため、皮膚科での治療と並行した対策が必要です。
アトピーが原因で起こるクマの症状
アトピーによるクマは目の下がくすみ、茶色っぽくなるのが特徴です。茶クマはほかのクマと違い、目の下の皮膚を引っ張っても色が変わりません。そのため自分のクマが茶クマかどうか判断に迷ったときは、目の下を引っ張ってみましょう。アトピー性皮膚炎などが原因で肌にダメージが蓄積されると、肌内部でメラニン色素が作られます。肌細胞を守るために作られるメラニン色素ですが、多すぎると体外に排出されず、肌内部に溜まることに。これが蓄積されて肌の表面に出てくると、茶クマとなるのです。
また、色素沈着は一度起こるとセルフケアで改善するのは難しくなります。クマ改善のセルフケアを行っても変化がない場合はアトピーによる茶クマの疑いが高いです。アトピー以外でも、毎日のメイクやクレンジングにより、肌はダメージを受けてメラニン色素が沈着していきます。ゴシゴシと強い力で擦ってしまうのも、茶クマの原因となるので注意が必要です。茶クマの色素沈着は、シミができるのと同じ過程であるため、茶クマはクマではなく目元にできたシミとも考えられます。
なぜ色素沈着してしまうの?
肌の色素沈着は、慢性的な炎症性によるものや、目をこするといった日常生活のクセ原因で起こります。慢性的な炎症性によるものは、アトピー性皮膚炎が代表的な原因です。アトピーは患部にかゆみを感じさせるという特徴があります。一度アトピーを発症してしまうと、少しの刺激で強いかゆみを感じ、いつも使っているスキンケア用品や洗顔、クレンジングが肌に合わなくなることも。症状が酷いとノーメイクの状態でもかゆみを感じるようになってしまいます。かゆみを我慢できず擦ってしまうと、肌はダメージを受けて色素沈着の原因に。これがメラニン色素を作り出し、肌の表面に染みとして表れてしまうのです。
また、アトピーが発症すると体内でヒスタミンという化合物を作り出し、血管を拡張させます。これによりかゆみがさらに酷くなり、患部をこすってしまうという悪循環に陥るのです。かゆみが起こった場合、すぐに医師に相談しましょう。まずは最寄りの皮膚科で診察を受け、その後適切な治療を受けてかゆみを改善し、色素沈着を防いでください。
アトピー性皮膚炎治療中のクマ対策はある?
アトピー性皮膚炎によるクマは、まず根本の原因であるアトピー治療を行っていきましょう。原因であるアトピーを改善することでかゆみがなくなり、クマの原因となる色素沈着が起こりにくくなります。まずは病院で正しい診断と適切な治療を受け、アトピー性皮膚炎の治療を進めていきましょう。セルフでできる方法としては、目元に刺激を与えないことが最も効果的です。
クマに効果的と言われるマッサージは数多くあります。肌が外部ダメージから弱くなっているアトピー性皮膚炎にマッサージを行うと、場合によってはかゆみを引き起こし逆効果となります。マッサージ以外では、毎日の洗顔やメイク落としを見直してみましょう。強い力でこすっていないか、洗い残しがないか、見直してください。アトピー性皮膚炎でも使えるスキンケア化粧品を使い、外部ダメージから弱くなってしまった肌を保護するのも大切です。自分の肌状態に合ったものを探して使いましょう。部分的な色素沈着には、美白剤や保湿剤の使用が効果的です。ただし、使用する際は事前に医師へ相談しましょう。場合によっては症状を悪化させてしまいます。
目元のアトピーに有効な対策を教えて!
肌に触れるものを清潔に保つ
肌にふれるものを清潔に保ち、肌への刺激を抑えることでかゆみが緩和され、アトピーを防げる可能性があります。アトピーが引き起こされる原因はハウスダストや化粧品、花粉・カビなど人によって様々です。症状が起きる原因を知らずに目元を掻き続けると、肌のバリア機能が一層弱まるだけでなく色素沈着を起こしてクマが発生する原因にも。布団や衣服に毛玉やほこりがついていないか、部屋の換気をしているか、爪で肌を掻く癖がないかなど、生活習慣や環境をチェックしてみてください。ただし、いくら気を付けても肌のかゆみが治まらないという場合はアトピーを引き起こしている可能性があります。皮膚科医に診てもらい、アトピー改善に向けた適切な処置を受けましょう。
水洗顔を行う
目元の乾燥やアトピーは洗顔フォームやクレンジングなどの刺激や、肌に存在する皮脂・角質などを落としすぎることで発症します。外部からの刺激に敏感になった肌を正常な状態に戻すには、余計な成分を肌に乗せずシンプルな水洗顔に切り替えるのも一つの手です。洗顔の際はかゆみを誘発させるお湯を避け、少しぬるいと感じる温度の水で洗いましょう。肌に刺激を与えず、もともとある肌のバリア機能が整えられていきます。またメイクも石けんで落ちる物を使い、メイクを落とす際はこすらないように気をつけましょう。香料や防腐剤などを含まない純石けんを泡立て、優しくなでるように洗ってください。
低刺激性の化粧品を選ぶ
アトピーは肌のバリア機能が弱まり、外部からの刺激を受けやすい状態です。そのため、スキンケア化粧品の成分によってはかゆみを引き起こしてしまうことも。使っている化粧品で保湿されなくなった、またはかゆみを感じるようになったと感じる方は、パラベンや香料など防腐剤や刺激となる成分が入っていない低刺激性の化粧品を利用しましょう。かゆみを抑えるには肌にもともと含まれている「3大保湿因子」を補い、肌が自発的に潤うようサポートすることが大切です。角質細胞に水分をもたらすアミノ酸やセラミド、水分の蒸発を防ぐスクワランなどが配合された化粧品を選びましょう。目元に潤いを与えることでアトピーの症状を抑えられ、クマができづらくなります。
ヒルドイドが保険適用外になる?
アトピーによるクマ改善には、アトピー用の治療薬として知られる「ヒルドイド」を使うのも有効です。しかしヒルドイドは美容目的で処方してもらう患者が増えている背景から、保険適用外の取り扱いになってしまう可能性が高まっています。保険適用外として認定されると、アトピーに悩む患者にヒルドイドが行き渡らなくなってしまう危険が。ヒルドイドは本来、肌が極度に乾燥した際に塗る医薬品です。セルフケアではどうにもできない、何をしてもかゆみや乾燥が止まらないといったときの最終手段として考えるのが賢明でしょう。
症状がひどくなる前に気になったら医師に相談を
アトピーによるクマはセルフケアでの改善が難しいものです。肌に備わるバリア機能が弱まっている状態なので、治すには皮膚の仕組みを知る専門医に相談するのが安全といえます。
普段通りのケアで改善が見込めない、違和感を覚えるなどがあれば、放っておかずに皮膚科へ相談しましょう。適切な診断のもとで早期のクマ改善が期待できます。