実は怖い!目の下のたるみを放置すると…

下まぶたのたるみに関するギモン

眼瞼下垂とは?皮膚のたるみが眼瞼下垂を引き起こす?

眼瞼下垂とは、単一の病名ではなく、上まぶたが何らかの理由で垂れ下がり、目を開けづらくなったり、黒目(視界)が塞がれたりしてしまう“状態”を指します。そして、一口に「眼瞼下垂」といっても、その原因や症状には幾つもの種類があります。

人間の皮膚は、加齢に伴う老化や、紫外線の影響(光老化)などで組織が劣化し、その結果として徐々に垂れ下がっていくようになります。そして上まぶたの皮膚がたるんでしまうと、目を開けようとしても、垂れ下がったまぶたのせいではっきりと目を開けることが難しくなる場合もあるでしょう。特に一重まぶたで、まぶたに脂肪が多い人では、たるみが起こりやすくなり、眼瞼下垂の症状が現れやすいと考えられています。

一方、皮膚のたるみが原因でなく、その下にある“まぶたを持ち上げる筋肉”が劣化したり損傷したりして引き起こされる眼瞼下垂も少なくありません。

そもそも、「目を開ける」という動作には通常、目の周りにある複数の筋肉が関係しています。その代表例がまぶたの裏側にある「眼瞼挙筋」や「ミュラー筋」などです。通常、眼瞼挙筋は、コラーゲンによって作られている「瞼板」に張り付いています。瞼板は上まつげのすぐ下にある組織で、目を閉じた時に下りてくる部分です。つまり、眼瞼挙筋が収縮して瞼板を上に引っ張り上げることで、まぶたが持ち上げられます。

この他、眼瞼挙筋の下部、より瞼板に近い部分にミュラー筋があり、これもまぶたの開閉を助ける筋肉です。ミュラー筋は、人の興奮を司る交感神経に支配されており、意識がはっきりしている時(交感神経優位の状態)では、緊張して収縮しています。逆に、眠くなってきて、安静を司る副交感神経が優位の状態になると、ミュラー筋が弛緩して、まぶたがとろんと下がったようになるのです。

さて、眼瞼挙筋が劣化したり、眼瞼挙筋と瞼板との結合がゆるんだりしてしまうと、まぶたを持ち上げようとしても上手くいかず、常にまぶたがたるんで眠たそうに見えたり、視界が覆われたりしてしまいます。また、無理矢理にまぶたを持ち上げようとして、眼瞼挙筋に強い力を込めることで、常にその周辺が緊張状態に陥ってしまう場合もあるでしょう。同時に、無意識にミュラー筋を刺激してまぶたを持ち上げようとすることもあります。

このように、眼瞼下垂の原因には「皮膚のたるみ」と「筋肉の劣化」という2つが主なものとして挙げられますが、必ずしもどちらか一方だけが理由とは限りません。むしろ、皮膚のたるみも筋肉の劣化も老化現象の一種であり、実際60歳以上の3~4人に1人は多かれ少なかれ眼瞼下垂症であるという報告もあります。

尚、筋肉の動きを司る運動神経などに異常を来して、筋肉の動きが低下した結果生じる眼瞼下垂も存在します。

眼瞼下垂を引き起こすものは?眼瞼下垂は放置しても治らない?

眼瞼下垂の原因の一つとされる「皮膚のたるみ」は、加齢や光老化などが大きな原因とされていますが、一方の「筋肉の劣化」には複数の原因が考えられます。
例えば、眼瞼下垂には先天的なものがあります。生まれつき眼瞼挙筋などの動作に支障を来しているような場合、赤ちゃんの頃から眼瞼下垂の症状が現れます。
対して、後天的な眼瞼下垂の原因は、長時間のパソコン使用、長期間のコンタクトレンズの使用、まぶたを強くこする癖、花粉症・アトピー、脳梗塞の後遺症、ケガや美容整形手術の失敗など、決して少なくありません。特にパソコン・コンタクトレンズの使用や花粉症などは、現代人にとって身近なものと言えるでしょう。
問題は、皮膚のたるみも筋肉の劣化も、基本的には少しずつ進行していくということです。そして、一度でも起きてしまった皮膚のたるみや筋肉の劣化は、自然に治癒する可能性は限りなく低く、眼瞼下垂を放置すると、症状は悪化していく一方になります。 ただし、眼瞼下垂には筋肉の疲労が原因で一時的に現れているだけのものもあり、まぶたが開けにくいと感じたからといって、すぐに自分はひどい眼瞼下垂なのだと不安を抱くことは禁物です。

眼瞼下垂が引き起こす症状とは?

眼瞼下垂の症状が現れてくると、視界を確保しようとして、あごをしゃくり上げるように前を見たり、おでこの筋肉でまぶたを引き上げようとしたりという動作を取るようになります。また、常に目の周囲に力を込めて、緊張状態を維持するようにもなりがちです。
すると、目だけでなく首など様々な部位の筋肉が疲労して、余計に症状がひどくなったり、頭痛や肩こりに悩まされたりしやすくなります。さらに、精神的にも悪影響が出てしまい、不眠症や自律神経失調症、うつ症状などを引き起こす可能性も少なくありません。外見的にも、目が小さくなったり、おでこや眉間にシワが増えたりと、様々なトラブルが現れます。その他にも、単純に視界が悪くなったせいで、転倒や事故のリスクも増えてしまうでしょう。

眼瞼下垂の簡単セルフチェック法

まぶたがたるんでいるように見えるからといって、必ずしも眼瞼下垂だとは言い切れません。しかし、セルフチェックによって「自分が眼瞼下垂ではない」と確認することは可能です。

  • 1.鏡を顔の正面に用意する。
  • 2.顔の力を抜いて、目を閉じる。
  • 3.おでこなどに力を入れず、目を開ける。または眉毛の部分を指で押さえて、目を開ける。
  • 4.まぶたが完全に持ち上がって黒目がはっきり見えたり、眉毛を押さえたままで目を開けられたりすれば、眼瞼下垂の可能性は低い。

自分が眼瞼下垂かも知れないと気になる人は、早めに眼科などを受診することが賢明でしょう。

眼瞼下垂の治療法とは?

筋肉が原因の眼瞼下垂は、伸びてしまった眼瞼挙筋を切って短くしたり、眼瞼挙筋と瞼板を人工的に再結合したりする手術によって、治療することが可能です。これらは一般的に健康保険が適用され、費用もさほどかかりません。
一方、皮膚のたるみが原因で生じた比較的軽度の眼瞼下垂では、まぶたの皮下脂肪を除去したり、余分な皮膚を切除したりする手術が主な治療法とされていますが、これらの多くは保険適用外の美容整形として区分されています。
目の周りの手術は外見を大きく変えてしまうリスクもあり、しっかりとした医療技術と実績を持っている専門医に任せることが肝要です。

眼瞼下垂は放置せず、早めの対処を心がけよう

眼瞼下垂によって、視界が狭くなったり、たるんだような見た目が気になって外へ出なくなったりすれば、その後の人生に悪影響を及ぼします。眼瞼下垂は治療できる症状です。早めの対処で明るい人生を謳歌しましょう。

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