ゴースト血管がたるみのリスクを高める?
目の下のたるみ解消に関するギモン
そもそもゴースト血管って何?
「ゴースト血管」とは加齢によって毛細血管が衰え、血液が流れなくなった状態のことです。血管の9割以上を占める毛細血管は、タイルのように敷き詰められた内皮細胞と壁細胞に密着しています。それぞれの細胞の隙間に適切な量の血液が浸透することで、周辺の細胞に栄養や酸素が行き渡り体が正常に機能しているのです。
ところが老化が原因で血液が過度に漏れ出すと、血管の隅々まで血液が行き届かなくなり毛細血管の先端が消滅してしまいます。毛細血管が消滅すると酸素や栄養が細胞に供給されにくくなり、細胞が死んでしまう原因に。細胞が正常に機能しなくなることで肌代謝が落ち、しわやたるみなどのエイジングを引き起こしてしまいます。
機能しない毛細血管が増加すると、動脈硬化や脳卒中などの重病を引き起こすリスクも。毛細血管を正常に機能させることは、美容だけでなく健康をキープするためにも非常に重要なのです。
若い人にも潜むゴースト血管によるたるみ
ゴースト血管は老化が原因で発生するケースがほとんどですが、20~30代の比較的若い世代でも偏食や運動不足などが原因で発生する可能性があります。毛細血管が消失してゴースト化することにより新陳代謝が停滞すると、それがお肌のたるみにつながってしまいます。
あなたの肌のたるみはもしかするとゴースト血管が原因かもしれません。以下に毛細血管がゴースト化したときに起こりうる初期症状を挙げてみました。当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。
- のどや目が渇きやすくなった
- 毛細血管が衰えると粘膜が弱まり、のどや目の乾きを感じやすくなります。以前より水を飲みたくなった、目の乾きがひどくなったなどの変化を感じる方は注意しましょう。
- 肌が乾燥しがちになった
- 肌の乾燥は、毛細血管の衰えによる代謝の低下が原因で起こります。いつものスキンケアが物足りなくなった、夏でも高保湿のクリームが手放せないという方はスキンケア商品だけではなく、体の健康状態に目を向けてみてください。
- 傷跡や日焼けが残りやすくなった
- 傷跡や日焼けは、ターンオーバーの周期に沿って1~1ヶ月半で改善することがほとんどです。しかし血行が悪化して代謝が落ちると肌のターンオーバーが乱れて古い角質が落ちにくくなり、シミやくすみとなって残ってしまいます。
- 白髪や薄毛が気になりだした
- 頭皮は多くの毛細血管が張り巡らされています。頭皮の毛細血管がゴースト化すると、髪の毛を生み出す毛母細胞が栄養不足に。髪の毛に栄養が届きにくくなるためパサつきや白髪、薄毛などを引き起こしてしまいます。
- 二日酔いがひどくなった
- ゴースト血管は内臓にも大きな影響を及ぼします。お酒を飲んだ後に二日酔いしやすくなった、脂っこいものを食べると胃もたれしやすくなったなどといった経験はありませんか?心当たりのある方は、ゴースト血管によって内臓が弱り、アルコールや脂質の分解・排出機能が低下している可能性があります。
- 猫背になった
- 血管は体温を調節する機能を持っています。ゴースト化によって血液の循環が悪くなると、体が冷えて背中を丸めがちになり、猫背の原因に。猫背になると肩が内側に巻き込まれ、肩こりや血行不良になりやすくなるといった悪循環を起こします。
ゴースト血管防止のカギとなる「Tie2」とは
血管を消滅させないようにするためには、血管にある「Tie2」受容体を活性化させることが大切です。Tie2受容体は壁細胞から送られる「アンジオポエチン」という糖タンパクによって活性化し、細胞の密着度を高めて血管の衰えを防ぐ作用があるのです。
Tie2の活動を維持させることで、美容にもうれしい効果があらわれます。血管を丈夫にする機能によって代謝がアップすると、冷えやむくみが解消され肌のターンオーバーも正常化。ターンオーバーが正常化すると、もともと肌に含まれているコラーゲンやエラスチンなどの成分が生成されやすくなり、肌にハリが生まれてたるみの改善が期待できるのです。
美容と健康に欠かせないTie2は、ルイボスティーやシナモン、ヒハツ(胡椒の一種)など植物由来の食品を摂取することで活性化することが分かっています。これらの食品は週2~3回程度を目安に摂取するのがおすすめです。ティータイムや料理の味付けなど、続けやすい方法でTie2を元気にする食品を取り入れてみてください。
自分でできる!ゴースト血管によるたるみを防ぐ対策法
- 炭酸水で洗顔する
- ゴースト血管を生み出さないためには、血行の促進が大きなポイントとなります。血行を促進させるには炭酸水が有効です。炭酸水に含まれる炭酸ガスは、皮膚から体内の血管に入り込めるほど分子が小さくなっています。血管を広げて血の巡りを良くし、代謝を向上させるのです。炭酸を浴びたところは肌が赤くなりますが、これは血管の広がりによって血行が良くなっているサイン。肌のたるみを感じる方は炭酸水での洗顔や、炭酸が配合されたパック・化粧水などを試してみてはいかがでしょうか。
- 首や鎖骨をほぐす
- 栄養や酸素を含んだ動脈が通る首や、老廃物を排出するリンパが通る鎖骨をケアすることで顔周りの血行が良くなり、たるみにくくなります。親指の腹を使ってフェイスライン~耳たぶの下にかけてスライドしましょう。耳たぶの下まできたら、髪の生え際に沿って2~3回ほど押してください。次に耳の下や首の側面、鎖骨周りを軽くさすったり、押したりして顔周りの緊張をほぐします。鎖骨や耳下を強く押すとリンパを傷つけることがあるので、気持ちいいと感じる程度で行うと良いでしょう。
- 軽くスキップをする
- 血管のゴースト化防止に最も有効な有酸素運動はスキップです。スキップすることで「第二の心臓」と言われるふくらはぎが刺激され、全身の血の巡りが良くなります。血行が良くなると体全体の代謝が上がり、たるみの原因である顔周りの冷えが改善できるのです。スキップが難しい場合は、かかとの上げ下ろしだけでも効果的。かかとの上げ下ろしは通勤時間や待ち時間の合間でも簡単にできるので、ぜひ試してみてください。